深夜0時。
東京は雨が降る。
ときどき強くなるが、ほとんどが元気ない雨だ。
そもそも雨の元気具合は、誰が調整しているのだろうか。
重力か。
それとも雲か。
雲を作る地表の水蒸気か。海からの水か。
サービス残業が増えた、というニュースが飛び交っているが、入社以来サービス残業が当たり前の業界で11年働いていると、実感がない。手当てもほとんどないのに、なぜその業界で働く人がいるのだろうか。いまだに理由がわからないが、「クライアントに喜んでもらいたい」ということだけ、「面白いことにかかわりたい」ということだけがドライバーになっているのだろう。
私が所属する企業でも、年間数十人は辞めていく。すごい年は、50人くらいが退職した。それだけ入れ替わるということだ。理由は様々だが、面白くなくなった、という動機が多い。
固定と変動という言葉がある。
現代においては、固定なものがいつのまにか変動し、変動だったものが固まったりする。
氷が少しずつ溶けて、水になり、それが水蒸気となる。
水蒸気がたまって雲になり、雨になって水になる。
このような動きを見ていくと、なかなか面白いことが発見できそうだ。
固体から液体へ、液体から気体へ。
その時々でどの状態がいいのかはわからないが、固体のままがいいものもあるし、気体のままがいいものもあるだろう。
今、私が所属している企業は、液体から固体になったが、その一部が溶け出して気体になっている。まるで地球温暖化と呼応するように。
残業を終えた人々が、雨の中静かな足音を立てて自宅へと歩く。
これが東京だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿