火曜日, 10月 03, 2006

濡れる街角を歩く人々

深夜0時。

東京は雨が降る。

ときどき強くなるが、ほとんどが元気ない雨だ。

そもそも雨の元気具合は、誰が調整しているのだろうか。

重力か。

それとも雲か。

雲を作る地表の水蒸気か。海からの水か。


サービス残業が増えた、というニュースが飛び交っているが、入社以来サービス残業が当たり前の業界で11年働いていると、実感がない。手当てもほとんどないのに、なぜその業界で働く人がいるのだろうか。いまだに理由がわからないが、「クライアントに喜んでもらいたい」ということだけ、「面白いことにかかわりたい」ということだけがドライバーになっているのだろう。

私が所属する企業でも、年間数十人は辞めていく。すごい年は、50人くらいが退職した。それだけ入れ替わるということだ。理由は様々だが、面白くなくなった、という動機が多い。

固定と変動という言葉がある。

現代においては、固定なものがいつのまにか変動し、変動だったものが固まったりする。

氷が少しずつ溶けて、水になり、それが水蒸気となる。

水蒸気がたまって雲になり、雨になって水になる。

このような動きを見ていくと、なかなか面白いことが発見できそうだ。

固体から液体へ、液体から気体へ。

その時々でどの状態がいいのかはわからないが、固体のままがいいものもあるし、気体のままがいいものもあるだろう。

今、私が所属している企業は、液体から固体になったが、その一部が溶け出して気体になっている。まるで地球温暖化と呼応するように。


残業を終えた人々が、雨の中静かな足音を立てて自宅へと歩く。


これが東京だ。

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