水曜日, 9月 06, 2006

最高の上忍

音もなく、匂いもなく、知名もなく、勇名もなし。その功、天地造化の如し

新入社員のころは、本業の勉強で精一杯だと思う。

たとえば広告代理店やPR会社に入った場合、とりあえず「マーケティングのすべてがわかる本」等を読み漁ると思う(私はそうだった。読み漁りすぎた)。

でも、実際は本業以外のことから、自分のビジネスへのヒントが見つかる。

たとえば茶道。

私は茶道を習っているが、茶道は戦国時代の武将も夢中になったコミュニケーション・システムだ。茶道は「癒し」にはならない。「鍛錬」になる。「癒し」を求めて茶道の門をたたくと、ぶっとばされる(かもしれない)。女性が多い茶道の世界は、その洗練された文化と同時に、嫉妬の世界でもある。男性の場合は結構楽しく習えると思うが、それでも「同じことの繰り返しで悟る、体で覚える」という修行である。このような稽古を続けていくと、仕事の効率化やコミュニケーション力の向上につながることが多い。

たとえば文学。

過去のベストセラーを読み返してみよう。「ロビンソン・クルーソー」が遭遇した出来事を一気に読むと、、社会人1年目からリタイアするまでのシュミレーションのような体験をすることができる。「ことわざ」や「四字熟語」は、それ自体が「人間の観察と体験による英知」となっていて、現代社会においても大変役に立つ。

たとえば忍者。

忍者といえば、忍者刀を逆さに持って、必死にアクションを取るイメージがあるが、素晴らしいのはその「ナレッジ・マネージメント力」にある。基本は「口伝、一子相伝」など文字にしない彼らも、何冊かの忍術集によってその技術の一端を知ることができる。それに触れるとその体系化されたノウハウに驚く。

「音もなく、匂いもなく、知名もなく、勇名もなし。その功、天地造化の如し」とは、忍者を仕切る上忍(徳川家康に貢献したといわれる、服部半蔵のような)を示す言葉である。この言葉を眼にしたとき、ビジネスマンとしてクライアントに貢献するプロフェッショナルを目指そうと思った。

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